工場にお願いしたアッパーはまず、釣り込みの工程に進みます。
まず、アッパーのつま先とカカト部分の、甲革と裏革の間に芯材を入れます。次に、中底を仮止めした靴型にかぶせ、つま先とカカトはそれぞれ別の機械で、また両アーチ部分は手で「ワニ」という工具を使い、革を引っ張りその可塑性を利用し、靴型に密着させるように固定させます。
釣り込んだ後、デザインのラインやバックルの位置などのディティールをチェックするのも大切ですが、靴型にしっかりアッパーが張り付いているかどうかも確認。靴のフィッティングに影響がでる(特に、立ち上がりの部分やアーチの部分)ため、型紙を設計する上で特に重要なポイントです。
また、量産時に釣り込みの作業が問題なく流れるかどうか、職人さんと話し合います。型紙も釣り込みも手作業なので、良くも悪くも互いに「クセ」があります。その見えない部分をお互いに共有し、双方のバランスが取れるように
平面上の型紙に落としこむのも大切です。
今回は、釣り込みの作業自体に問題はないとのことでした。靴型とパターンのバランスも上手く取れたので修正も無く、そのままパターンのグレーディング(24cm〜28cm)に進めそうです。一方で、釣り込みを終えた靴は、お店での展示として使用するため、底付けの工程に進みます。