新作ダブルモンクの制作背景:#5 バックルの取り付け

新作ダブルモンクの制作背景:#5 バックルの取り付け

今回のダブルモンクを企画する上で一番悩んだ点は、バックルを取り付けるための小さいパーツの素材選択です。一般的に写真のように、ループ状にした細いゴムまたは革をバックルに通して挟み、端をアッパーに10ミリくらい差し込みミシンで固定します。

前方のつま先方向に配置されたバックルは革で取り付けていますが、後方の素材をどうするか。ゴムまたは革のどちらの素材を選択するかによって、靴の履き心地だけでなく、大きく言えば靴の使用頻度も変化します。それぞれの素材には以下の様なメリットとデメリットがありす。


  • ○革の場合・・・ 伸びにくいのでしっかり甲をフィットできる反面、着脱のたびにバックルとストラップを締め付けるというプロセスに慣れるまで時間がかかる。

  • ○ゴムの場合・・・着脱する際、ストラップをバックルに通さなくても、ゴムの伸縮性を用いて脱ぎ履きができる反面、靴のフィット感を生むのが難しい。


実際、ほとんどの既製靴のダブルモンクには、ゴムが仕様されているケースが多いです。しかし、靴型から企画した立場から、オリジナルラストの履き心地を失いたくないとの思いで、当初はあえて革でバックルを取り付ける予定でしたが、、、。サンプルシューズが出来上がった段階で、実際にスタッフを含め数人に履いてもらったところ、穴の箇所が3つあるとあいえ、ストラップをバックルで締め上げるのが非常に難しいのが判明。理想があるとはいえ、なぜ多くの既製靴のバックルがゴムで取り付けられているのか、このトライ&エラーを通して確認できました。その一方で、ダブルモンクを企画中にご来店されたお客様にご意見を伺いましたが、「仕事用の靴としての日常使いに履くので、ゴムのほうが使いやすい。」という声が圧倒的に多かったことも事実です。

このように、作る側の理想よりも、使用されるお客様の意見をしっかり反映させたいと考え、今回、RENDOのダブルモンクは写真のように、ゴムでバックルを取り付けることになりました。また、ショップ兼アトリエ店舗のトライとしまして、よりフィット感を求めるお客様にはアトリエ内にてその場で、革に変更するサービスを行っております(無料)。ぜひ、一度RENDOのダブルモンクをご試着頂ければと思います。

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